ふくろう通信 地震が多発している世界と日本
- 2020年
2020年6月 第249号
地震が多発している世界と日本
比較的珍しい所でも発生、長崎は?
現在、さまざまな国や地域で、「ふだんは地震など起きない場所」で中規模以上の地震が激しく発生し続けています。5月の日本でも岐阜、長野県を中心に多発しています。世界の直近の地震についてですが、2020年5月20日まで1週間のM2.5以上の地震のあった地点を地図で表示しています(In DEEPの資料による)。また5月15日から19日にかけて珍しい場所で頻発した地震は以下のとおりです。
5月19日 エジプト M5.4:揺れはエジプトのマルサマトルー市から、ギリシャのクレタ島まで 345 kmに及んだ。被害は報告されていないが、このマグニチュード 5.4は、エジプトの歴史上から 3番目の規模。1992年にマグニチュード 5.6の地震が発生し、540人以上が死亡した。
5月19日 トルコ M5.6:地中海で6回の群発地震、震源の深さは、5.8キロという浅い地震で、パニックを引き起こしたが、負傷者なく、この日、地中海では、マグニチュード4.1から 5.6までの合計6回の地震が発生。
5月18日 中国雲南省 M5.0:この地震で、現在までに 4名が死亡したと伝えられている。
5月18日 スウェーデン北部 M4.9: スウェーデンで同国史上最大の地震が発生、震源となったのは、世界最大の鉱山のある土地で、施設に多少の影響があった以外は、人的な被害等は伝えられていない。
5月17日 キューバで「群発地震」:5月17日、キューバ東部で 20回以上の同国としては珍しい群発地震が、国立地震研究センターから報告された。負傷者や死亡者はなく、物的損害のみ。
5月15日 米国ネバダ州 M6.4:過去66年で最大の地震が5月15日、カリフォルニア州との州境近くのネバダ州南東部を震源とする地震が発生。震源地周辺は、密集地でなく被害は確認されていないが、約 4万5000人が揺れを感じた。
この一週間だけでも世界でこれだけあり、しかも普通地震が起こらないところで、発生しています。左は熊本地震でのお城の被害です。長崎は特に地震の少ない所ですが、1922年12月8日(大正11)千々石湾でM6.9の地震があり、島原半島を中心に死者26人、負傷者39人、全壊195棟の被害がありました。それを最後に長崎では大きな地震はありません。今後30年以内に70~80%の確率で起こるとされる、南海トラフの巨大地震があります。政府が2012年8月29日公表したモデルによると、県内では、長崎、佐世保、五島、西海で津波最大4メートルの津波で約400棟が全壊し、死者も80人が想定されています。震度5強が想定されるのは 諫早、雲仙、南島原の3市。5弱は長崎、島原、大村の3市で、その他は4と想定されています。日本全体では、最悪の場合、死者が32万人以上ということで、被害の規模はコロナウイルス感染症どころではありません。