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メディカルニュース

2015年12月

 

新型ノロ、大流行の恐れ…予防ワクチン・有効な治療薬なし

◆患者が急増しています

毎年冬に流行し、嘔吐や下痢の原因となるノロウイルス。

2014年3月に国内で採取された糞便から新型ウイルスが確認され、国立感染症研究所は、このウイルスが今後、国内で大流行を引き起こす恐れがあるとみて、警戒を呼びかけています。
感染研によると、感染性胃腸炎の患者数は今年10月末以降、急増、全国の小児科約3000か所の報告をまとめた定点調査によると、1医療機関あたりの患者数は、11月9日~15日の週は6・9人に達しました。
研究者は「国内では、新型ウイルスに感染した経験がなく、感染を防ぐ抗体を持たない人が大半だ。従来型よりも重症化しやすいわけではないが、流行がかなり大規模なものになる恐れがある」と指摘しています。

長崎でもある病院で、罹患した調理師から入院患者さんに感染、100名以上の方が発症した大規模な院内感染の事例が、つい最近ありました。

◆強い感染力があり、予防対策が必要です

ノロウイルスの特徴は、その感染力の強さで10~100個程度の少ない数のウイルスでも体内に侵入すると、発病する恐れがあります。
潜伏期間は2日前後と短く、発病すると激しい嘔吐や下痢を1日に10回以上繰り返します。

現時点では予防のワクチンや有効な治療薬はなく、予防が大切です。
食事の前やトイレの後には、せっけんを十分に泡立てて手を洗うと、ウイルスを死滅させることはできないまでも、ウイルスを洗い落としやすくする効果が期待できます。
また加熱することで、死滅させることができます。

嘔吐物や便を処理時には、使い捨ての手袋やマスクガウンを着用し、ペーパータオルなどで静かに拭き取った後には、ビニール袋に密封し、塩素系漂白剤で消毒することが重要です。

◆マスクの装着、水分補給をしましょう

流行時は外出時にマスクを着用します。

嘔吐物や下痢便には大量のウイルスが含まれており、乾燥にも強く、ほこりとともにウイルスが空中に飛散し、口に入って感染する恐れがあるためです。
仮に発病した場合には、嘔吐や下痢による脱水症状を起こす恐れがあります。

体力を消耗しないように小まめに水分補給をしましょう。腹痛や下痢などの症状が治まっても、1週間程度は便にウイルスが潜んでいることもあり、排便後の手洗の徹底をお願いします。

2015年11月29日読売新聞より一部引用

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