メディカルニュース インフルエンザワクチン
- 偉大な音楽家のお話
メディカルニュース
2015年11月
2015-16年シーズンから、インフルエンザウイルスに対する
ワクチンがA型2種類、B型2種類の4価に変更されました
予防接種の値段・料金がほとんどの医療機関・都道府県で値上がりしていますが、これはワクチンがレベルアップしたことが理由です。
これまで3価(A型2株 + B型1株)であったワクチンが、4価(A型2株 + B型2株)になります。
B型インフルエンザのワクチンを1種類追加することになります。
まずインフルエンザワクチンの中身が決定される毎年の流れをお話しします。
インフルエンザワクチンに何のウイルス株を入れるかは、毎シーズンの世界保健機関(WHO)の推奨を基に各国で決定されています。
北半球の場合、WHOで推奨株が決定されるのが2月ごろ。
それを受けて厚生労働省健康局長が国立感染所研究所所長にウイルス株の選定を依頼し、同所長が「インフルエンザワクチン株選定のための検討会議」を招集するのが2-3月。
最終的に厚労省からの通達が出るのが5月上旬です。
ここから国内4社のワクチンメーカーが一斉に製造に取り掛かり、製品検定を経て各医療機関に納入、10月に全国で接種が始まります。今年は化血研の製品について厚労省の認可が遅れ、医療機関としては接種が十分間に合うのかで少しばかり、はらはらしました。
今シーズンからは、B型は両方が入っているワクチンになります |
昨シーズンまでの3価ワクチンには、A型であるH1N1およびH3N2の2種類、そしてB型の1種類ずつ、計3種類のウイルスが入ってました。
過去10シーズンの予測と実際の流行を付き合わせてみると“的中率”は5割。B型が1種類しか入っていないことも原因の一つでした。
さらに悪いことに、2011-12年シーズン以降のB型は山形系統とビクトリア系統の混合流行が続き、「予測が当たっても当たらなくても50点ということ。これでは何も予測していないのと同じ。この状況を何とかしたいというときに、2系統あるならば両方入れれば良い、というのは自然な結論だった」と専門家は解説します。
こうした流れを受け、WHOもインフルエンザワクチンを4価にする方向に動き出し、米国では2013-14 年シーズンから経鼻型(生ワクチン)で4価ワクチンの供給が、翌2014-15年シーズンからは注射型(不活化ワクチン)での供給が始りました。
日本はこの時点で、4価ワクチンを導入する準備はできませんでした。
2014年から4価ワクチン導入について議論を開始し、2015年5月8日、今シーズンからの4価ワクチン導入決定通知が出されました。
こうしてB型を2系統ともカバーするワクチンの導入が、これで決まったのです。
今年のワクチンが例年以上効果的であることを期待しています。