• 095-814-0296

  • 診療時間
    9:00~12:30/14:00~18:00
    休診日
    水曜PM/土曜PM /日曜/祝日
  • お問い合わせ

新着情報

間質性肺炎 肺線維症

  • 偉大な音楽家のお話

<間質性肺炎とは>

間質性肺炎は肺を支える組織である間質に炎症が起こった状態です。炎症が進むにつれて間質が厚く、硬くなり肺の動きが悪くなってしまいます。間質性肺炎の原因が不明なケースと、薬剤・放射線・膠原病など原因が明確な場合もあります。はじめ体動時の呼吸困難などですが、進行するにしたがい安静時にも息切れが出現します。私の祖母は最重症型のハーマンリッチ型で、治療に反応せず、あっという間になくなってしまいました。また私の患者さんY.Kさん(68歳)は間質性肺炎でステロイド治療で極めてよく改善しました。しかしタバコを隠れて吸い、冬にインフルエンザに罹患、肺は真っ白になり、酸素をいくら投与しても、どんな治療をしても良くなることがなく、亡くなられました。後に述べる、音楽家、武満徹もこの疾患に罹患しました。確か美空ひばりもこの疾患で亡くなりました。この病気は多くはないものの、決して稀な疾患ともいえません。私にとっては、治療に抵抗することの多い、本当に嫌な疾患です。その概要を以下述べます。

<原因>

間質性肺炎には、原因の明らかなものと明らかでないものがあり、原因の明らかでないものを特発性間質性肺炎(IIPs)と言い、様々に分類されているが、ここでは割愛する。原因が明確な間質性肺炎としては、①薬剤(薬剤性肺炎放射線(放射線肺臓炎)③膠原病(膠原病肺)過敏性肺炎(何らかの物質の吸入に対する過敏反応)

<悪化要因>

間質性肺炎は、何らかのきっかけで炎症が一気に悪化することを急性増悪といい、生命の危険を伴う。それらには感染、薬剤、放射線、喫煙などがある。特に冬期のインフルエンザ感染が恐ろしい増悪要因となる。

<間質性肺炎の症状>

主な症状は呼吸困難や空咳、息切れ。次第に息切れを自覚するようになる。体動時に息切れを自覚することから始まり、病気が進行すると安静時も息苦しく、酸素吸入が必要となる。肺がんを合併していることも多く、末期は容易に呼吸不全、心不全になることも多い。呼吸音はバリバリしたラ音を聴取される。バチ状指が特徴的。

<間質性肺炎の検査・診断>

血液検査:KL-6、SP-D、SP-A、LDH、CRPなど。

画像検査:胸部レントゲン検査、胸部CTで病態の広がり、程度をみる。

検査呼吸機能検査:肺の働きなどを調べ、その進行度を判断する。

気管支内視鏡検査:肺の一部を採って顕微鏡で見ることで、間質性肺炎の原因を推定する。肺の組織を噛みとってくるため、一定確率で肺が破綻して気胸や肺出血が起こってしまうことがあるが、組織を見ることで原因や治療法がわかり、重要な検査。

<間質性肺炎の増悪予防、治療法>

喫煙は肺の病気を進行させるので、禁煙が重要。かぜ肺炎がおこると重症化要因になり、それらの予防する。そのため手洗い、うがいの徹底、肺炎球菌ワクチンやインフルエンザウイルスワクチンの接種。呼吸のトレーニングや下半身の筋力強化(呼吸リハビリテーション)を行うことも有用。原因がはっきりしている薬剤、放射線、何らかの抗原吸入(カビなど)を避ける。

免疫を抑えるステロイド薬、免疫抑制薬を使用する。特発性肺線維症 (IPF)(右CT写真)と呼ばれるタイプは進行が早く、一部のがんよりも経過が悪くなることも多く、このタイプには線維化抑制薬、ニンテダニブ等を使用する。このほか在宅酸素療法、人工呼吸器、外科的には肺移植が検討される。間質性肺炎は、一般的な肺炎よりも治療が難しく、一生病気と付き合うことが多くなる疾患といえる。

<特発性間質性肺炎は難病指定疾患>

身体障害者福祉手帳、介護保険制度、指定難病患者への医療費助成制度などを利用する。

 

ページトップへ戻るページトップへ戻る