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ふくろう通信 「燃える秋」とその映画音楽

  • 2021年

2021年5月 第260号

「燃える秋」とその映画音楽 

 

私は以前から真野響子は気にかかる女優さんでした。この方は今はもう60歳を超えたおばあちゃんになっています。今でもおきれいですが、若いころはとても、とても美しい方でした。 たまたま古い日記帳をみたら、「今日は授業をさぼって『燃える秋』という映画を見た。イランの絨毯が印象的であった。」と記録していました。念のためですが、私は何時も講義をさぼっていた訳ではありません。ただこの映画の「燃える秋」のヒロインが真野響子でしたので、是非見ようと思ったのでしょう。この映画、そしてそこに流れていた美しい映画音楽のことを書いてみます。

 

真野響子

 


私とのお付き合いの長い方は、ご存じのこととは思いますが、私はモーツアルト愛好家です。大学時代に、「モーツアルトとともに1年を」(右写真)という可愛らしい小さな日記帳を買って、日々記録していました。最近久しぶり古い日記帳を見つけ、ぱっと拡げてみると、そこは1979年1月22日でした。その内容が上記のとおりでなのです。映画の内容はすっかり忘れてしまいましたが、美しい映画だったのは記憶に残っています。イランの古都、イスファハンの情景、そこで作られる絨毯、すべてが物珍しいうえ、美人女優、それを取り囲むベテラン俳優たち。最近「燃える秋」という映画の映画音楽が気になって、YouTubeで久しぶりに聴いてハマッていました。クリニックのスタッフにもそのことを話しました。まさにちょうどその頃、日記帳での記述を見つけたのです。本当に偶然でした。いや必然だったのでしょうか。そこ で、今回のテーマはこれだと思い、書くことに決めました。

「燃える秋」は、五木寛之原作の小説を映画化した作品です。解説には1978年制作の東宝映画で、監督は小林正樹、ペルシャ絨毯に心惹かれた一人の女性が、一枚の絨毯に織り込まれたペルシャ五千年の文化の歴史を知り、愛や幸せよりも、もっと大切な何かを求めて生きる姿を描いた、とありました。

せっかくですからあらすじを少し書きます。亜希は初老の影山との関係を断とうと、京都へ旅に出て、美しいペルシャ絨毯に魅せられる。そこで名古屋の商社員、岸田に惹かれた。岸田に抱かれた亜希は、彼を愛していることに気づいた。しかし、彼女は、岸田の求婚を断った。何か気持に微妙なズレを感じていたからだ。暫くして、亜希は、癌に侵された影山の遺した航空券でイランへ旅立った。彼女は五千年の歴史を持つペルシャ文化に圧倒された。そこからさらにいろいろと話しは進んでいくのですが、最後は結局また独りでどこまでも歩いて行こうと決心する亜希だった……。となります。この映画、また見てみたいなあ、と思ったのですが、DVDはなくレンタルで見られない。残念なことです。

さてこの映画に流れていた音楽、これは武満徹という、現代日本を代表す作曲家が作った映画音楽でした。彼は1996年に亡くなりました。ユーチューブでこの曲を、聴いてると、なつかしさがこみあげてきました。何度も聴きましたね。クリニックのスタッフの一人は、この曲はご存じでしたが、最近の若い方は知らないでしょう。美しい曲なので一度聴いてみてください。武満徹は優れた映画音楽を沢山創りましたが、個性的な現代クラシック音楽も数多く創り、世界的にも高く評価された方です。私の所属する長崎交響楽団は1995年、長崎の姉妹都市、アメリカセントポール市を訪れ、同市の長崎交響楽団の姉妹、市民オーケストラとともに演奏しました。この時、武満徹の「弦楽のためのレクイエム」という、少し難しい現代音楽を演奏したことを思い出します。 

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