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ふくろう通信 ウイルスの正体、コロナウイルスの不可解

  • 2020年

2020年12月 第255号

 

ウイルスの正体、コロナウイルスの不可解

 

今年は新型コロナウイルスで始まり、そしてそれで終わる前例のない特別の年でした。このため多くの人が困惑し、仕事ができなくなり、またしたいこともできなくなりました。そして健康面での不安が広がりました。最近もまた患者さんが増加している気配です。もう一度一体ウイルスとは何なのか、またコロナウイルスの異常性について今回お伝えします。

ウイルスはまず、何か、これは生物とは言え、大変奇妙な生き物です。絶対何かに寄生しなければ存在できません。さらにこの世の生物の中でも、最も小さいものです。また数多くの種類があり、様々な特徴を持っています。ウイルスの病気には天然痘、狂犬病、ポリオ、インフルエンザ、日本脳炎、肝炎、ヘルペス(帯状疱疹、単純疱疹)、麻疹、水痘症、かぜ症候群(引き起こすウイルス)、がんでは、成人T細胞白血病、子宮頸がん、免疫不全はHIV感染症(いわゆるエイズ)、それに人間の遺伝にも影響を与えます。ウイルスはヒトのみではなく、それぞれの動物、植物種にも特異的なウイルスが存在し、細菌にも感染します(バクテリオファージ)。その数は5400種類確認されていますが、未知のウイルスはその何倍もあるとも言われています。その殆どは人間に害を与えるものでなく、ヒトに害を与えるウイルスは30種だけです。

ウイルスに関する最も古い記述は1892年のロシアのイワノフスキーによるもので、植物ウイルスであるタバコモザイクウイルスが病原体として報告されています。1889年、ドイツのレフラーとフロッシュ(Loeffler & Frosch)はウシなどの家畜の口蹄疫が濾過性の病原体(細菌よりもっと小さい)であることを発見しました。これが動物ウイルスの最初の記述です。ヒトの病気で濾過性と分かった、最初の病原体は黄熱ウイルスでした。野口英世はまだ濾過性病原体の存在が知られていなかった頃、この病気を研究して感染して亡くなりました。以降、次々と動物ウイルスが発見されていき、細菌に感染するウイルス(バクテリオファージ)は1915年にTwortがブドウ球菌で、1917年にd’Herelleが赤痢菌で発見しました。

さてコロナウイルスですが、これは典型的な風邪を引き起こすウイルスとして、よく知られているウイルスです。2月号にも書きましたが、あまり心配しなくていい、ごくありふれた風邪の症状を引き起こすものです。ただ感染力は非常に強く、人口の何分の1が罹患することもあります。
そんなウイルスが、この21世紀の始まりにその亜型のSARS、MERS、そして今回の新型コロナウイルス(Covid 19)として登場してきたことに、私自身は非常に違和感を覚えます。それにいつも中国が絡んでいます。そしてなぜこのウイルスが遺伝子の中に、エイズウイルスの配列が入っている、という報告があるのか。またなぜ症状が高齢者を中心に、これだけ重症化するのか。そして免疫的にも異常がみられるのか、症状が遷延化するのか。不思議なことばかりですが、これからがそれらの解明の正念場でしょう。

それにしても多くの企業や個人がこれだけ苦しんでいるの中で、ワクチンや抗ウイルス薬の開発が急速に進んでいます。何か腑に落ちないものを感じない訳ではありませんが、ともあれ早くこの感染症が収束して欲しいと痛切に思います。

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