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ふくろう通信 明けましておめでとうございます

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2018年1月 第220号
明けましておめでとうございます

我家の犬には初代のフォルテ(写真中央)、二代目のエルガー(左)がいました。現在三代目はフィガロ(右)です。これら犬たちとずっと一緒に過ごし、楽しいこと、悲しいことを数多く共有してきました。今回はこれら犬たちの話と、いかに犬や動物達が人間に計り知れない恩恵、愛を与えているかについてお伝えします。

エルガー(キャバリア)フォルテ(ゴールデンリトリバー)フィガロ(キャバリア)

私の身代わりとなって苦しんだフィガロ:ちょうど昨年の11月中ごろのことです。午前の診察中に突然、左わき腹が痛み出しました。だんだんと強くなります。強烈な疝痛発作で経験上、尿路結石の再発に違いありません。今まで3回の尿路結石による発作で苦しみ、3回目は入院までしました。芍薬甘草湯で発作が止められると、漢方の勉強会でちょうど学んでいたので、こっそり芍薬甘草湯を2袋服用しました。その結果見事に、即効で症状もとれ大変助かりました。職員は皆気づかなかったと思います。ところがその日に、我家のフィガロが急に痛み出したのです。いつもは元気そのものなのに、階段はゆっくりとしか登れず、体を触ると痛がってキャンと啼いて、苦しそうでした。やっと1週間たって、薬も効きだし良くなってきたのですが、これは私の身代わりとなって痛んだに違いありません。遠藤周作が肺の手術で心停止までいって、なんとか一命を取りとめた翌日、大事に可愛がっていた九官鳥が死にましたが、遠藤は自分の身代わりになってくれたに違いない、と思ったそうです。フィガロは人にも動物にもとても優しく、また頭のいい犬です。私の代わりにつらい、痛い思いをしたとしか考えられませんでした。

 

最初の散歩で1000円札を拾ってくれたエルガー:甘えん坊で私を慕い、心から信頼してくれた犬がエルガーでした。誰よりも私を愛してくれた犬でした。その犬との最初の散歩で平和公園を歩いていた時、口に何か咥えているではありませんか、よく見ると千円札でした。これからどうぞ私をよろしく、とのはじめの挨拶のようでした。ある晩見た夢にエルガーがイヌの「ピノキオ」になって、私にこう喋ったのです。「僕、いい子になりますから、あなたが私のお父さんになって下さい。」私は元々とても変わった夢をよく見る方ですが、この夢だけはずっと忘れられませんね。この犬も私たちに反抗的な態度は一切取らない、優しい限りのワンコでした。

 

長生きして父をこよなく愛しぬいたフォルテ:初代の犬はゴールデンリトリバー、はじめピアノの名前もいいな、と私が言うと、妻はそれは変です、その反対のフォルテがいい、と言って名づけました。ちなみに3匹の犬とも妻が命名したのです。フォルテが3歳ころ、父が自分が飼いたいといい、引き取りました。犬好きの父はとても可愛がり、犬と人との繋がりが、ここまで深いものになるのかを目の当たりに見せつけられました。父はフォルテの発音ができず、ホルテと呼んでいました。そのホルテが17歳で天寿を全うしましたが、その後の父の哀しみ方は尋常でなく、幾つものホルテをしのぶ句を作り、心を込めたお墓を作ったりで、その愛情の深さにはびっくりでした。フォルテも父を慕いどんな所にも父を追いかけ、いなくなるととても寂しがるのでした。

 

こんな話があります。捨犬を拾って飼い主になった主人は、その犬をとてもかわいがりました。山で突然熊に遭遇、その犬は熊をおびき寄せご主人を守りぬき、犬の行方はわからなくなりました。

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