ふくろう通信 西日本大震災
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ふくろう通信
2016年7月
西日本大震災に備える
地震の夢で思ったこと
1989年10月17日、サンフランシスコを中心に地震が発生、死者が62名となる大災害となりました。
壱岐公立病院でその頃勤務していた私は、その前日、非常に珍しいことに39℃の発熱があり、病院を休んで変な夢を見ました。
大地が大きく揺らいで、私は右往左往しているのです。
翌日テレビを見ると、新婚旅行で1983年3月に通った、サンフランシスコとオークランドを結ぶベイブリッジは落下、驚嘆しました。
生まれて初めての地震の夢でした。
今年2月熊本城フルマラソンを走ってから程なく、久しぶり地震の夢を見ました。
そしてその後、熊本地震が発生しました。
たまたまの夢にしては………… 予知夢なのでしょうか。
ところで地震だけでなく、火山が噴火する夢も見たことは、ふくろう通信150号(長崎火山)にも書いています。その時はどの山も噴火はしませんでしたが、嫌な性分です。その理由は、私が高校時代に地学部に所属していたせいか、地震や火山の噴火、気象関係、天文に関心があるからでしょう。今もその関係の本を時々読みます。最近京大教授、新進気鋭の鎌田浩毅氏による「西日本大震災に備えよ」というPHP新書を読みました。その内容は予想どおり、というかそれ以上の非常に危惧すべきことばかりでした。想定外を想定内にしておくべきなのでしょう。
今後起こりうる海洋型巨大地震に東海地震、東南海地震、南海地震の3つがあります。
これらの地震は90年~150年間おきに発生していました。
こうしたスパンの中で3回に1回は超弩級の地震が発生しています。
この例として887年の仁和地震、1361年の正平地震、1707年の宝永地震です。
今後起こりうる巨大地震は、3回に1回の超巨大地震の番にあたっています。
すなわち東海、東南海、南海の3つが同時に発生する連動型地震というシナリオです。
また巨大地震が起こる前に日本内陸部で起きる地震が増加します。例えば1995年阪神淡路大震災、2004年新潟県中越地震、2005年福岡西方沖地震、2008年宮城内陸地震、そして今回の熊本地震とつながっています。
そのうち関東大震災のような首都直下型も起きるかもしれません。
なぜ西日本大震災と呼ぶか、それは3つの地震の連動型巨大地震が想定されるからであり、被害の規模も東日本大震災の比ではなく、人口の半分近い6000万人が深刻な影響を受け、被害額は220兆円を超えると試算されるからです。
これは東日本大震災20兆円の10倍以上にもなります。
いつ起こるかが大問題ですが、筆者は10数年後を想定しているようです。
最近海上保安庁がイギリス誌ネイチャーに出した論文では、2000年度から日本列島海底に設置したGPSで南海トラフに広範囲に大きなひずみが蓄積されていることが判明、巨大地震の前兆であるという見方が強まっています。
早まることも十分考えられます。
しかし筆者最大の眼目は、地震が起こることを前提とした、私たちの生き方の問題でした。
この本の肝です。こればかりは熟読されることを希望します。
次回の地震の夢には十分注意を払いたいと思います。我身に降りかかる巨大地震かも知れません。