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メディカルニュース 妊娠中の喫煙

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メディカルニュース

2015年4月

 

 

妊娠中の喫煙は、胎児への影響が大

喫煙女性の胎内で、赤ちゃんが苦しがる姿が映し出される!! タバコの害がまた一つ判明

当院は呼吸器が専門の一つでもあり、禁煙に力を入れておりますが、今回は妊婦の喫煙の問題です。

日本で販売されるタバコには、パッケージの30%以上の面積を使った警告表示が義務づけられていますが、現在8種類が存在する警告文の一つに『妊娠中の喫煙は、胎児の発育障害や早産の原因の一つとなります。疫学的な推計によると、たばこを吸う妊婦は、吸わない妊婦に比べ、低出生体重の危険性が約2倍、早産の危険性が約3倍高くなります。』というものがあります。

妊婦の喫煙は、自身のみならず赤ちゃんの命をも危険にさらす行為であるというわけです。

 

そして今回、この事実を如実に示す驚くべき研究結果が、学術誌「Acta Paediatrica」上で発表されました。

なんと、喫煙者の胎児は、非喫煙者の胎児よりも、頻繁に顔や口元に手を据えていることが確認されたというのです(下の4Dエコー写真参照)。
2015年3月23日の英紙『テレグラフ』は、「胎児が苦しがっている様子だ」などとショッキングな表現で報じています。

妊娠中の喫煙

研究を指揮したのは、英・ダラム大学で胎児の発育を専門に研究しているナジャ・ライスランド博士の研究チーム、ジェームスクック大学病院に通院する妊婦20人から協力を得た研究チームは、妊娠24・28・32・36週の時点における胎児の様子を、4D超音波写真で観察しました。
4D超音波とは、胎児の細かい表情や仕草のすべてをリアルタイムで映し出すことができる最新技術です。
そして判明したのは、平均14本/日のタバコを吸う妊婦4人の胎児は、たばこを吸わない妊婦の胎児と比べて、顔や口元に手を持っていく回数が明らかに多いという事実でした。
通常、胎児が自分の顔や口元に触れようとする回数は、発育が進んで出産が近くなるほど減少するといいます。
そのためライスランド博士は、予備研究の結果も踏まえ、これは「妊婦の喫煙が胎児の中枢神経系に発育の遅れを生じさせる」証拠であるとしました。

 

さらにライスランド博士は、「母体へのストレスと喫煙の相互作用を含め、影響を精査して確証を得るためには、もっとサンプル数を増やした大規模な調査が必要です。」と前置きした上で、喫煙によって胎児の発育に差が生じるという事実だけでも、妊婦に禁煙の重要性を理解させる上で有効だと指摘しました。
そして、妊婦の喫煙をただ非難するのではなく、禁煙するための支援が求められていると訴えました。
また、研究に参加したランカスター大学のブライアン・フランシス博士は、「喫煙が胎児の発育にどのような影響を及ぼすのか、テクノロジーによって、今まで気づかなかった事実が明らかになってきました。」
「妊娠中の喫煙が危険であることの新しい証拠です。」と述べています。

幸運にも、被験者の妊婦たちは、全員が無事に健康な新生児を出産しましたが、今回の研究結果に鑑み、妊娠中の喫煙は特に強く戒められるべきと言えそうです。
妊婦の命は自分1人のものではない上、赤ちゃんは自らタバコの害を避けることができないのだから……。

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