メディカルニュース 睡眠時無呼吸症候群 SAS
- 偉大な音楽家のお話
メディカルニュース
2014年6月
睡眠時無呼吸症候群 SASについて
■どのような病気??
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは睡眠中に10秒以上の呼吸が停止、つまり無呼吸が5回以上繰り返される病気です。
主にいびきや昼間の眠気、熟睡感がない、起床時の頭痛などの症状があります。
また、SASは生活習慣病と密接に関係しており、放置すると生命の危険に及ぶこともあります。
また、SAS特有の眠気は交通事故を起こす危険もあり、早期に適切な治療をすることが大切です。
■SASの原因・症状
睡眠時無呼吸は、上気道が閉塞することにより起こります。
閉塞の原因は、肥満、扁桃肥大、アデノイド、気道へ舌が落ち込む、巨舌症、鼻が曲がっているなどがあげられます。
また、顎が小さい(小顎症)ため、気道がふさがれやすく、やせているのにSASである方もいらっしゃいます。
ですので、SASの患者さん全員が太っていると思うのは間違いです。
SASはさまざまな症状を伴います。
いびき、日中の眠気、起床時の頭痛、睡眠中に脳が覚醒状態になる中途覚醒やインポテンツなどがあります。
■SASの危険性は?交通事故について
2003年の山陽新幹線運転士さんの居眠り運転はこのSASによって起こりました。
ある報告によると酩酊に近い飲酒状態の人より、重症SAS患者さんの方がハンドル操作ミスが多かったとのデータが出ています。
スリーマイル島の原子力発電所の事故や、スペースシャトルチャレンジャーの事故は睡眠障害によって引き起こされたと報告されています。
たかが眠気と侮っていると大事故などを起こしかねません。
■検査について
SASの疑いがある場合は、専門医療機関などへ受診しましょう。
問診時に睡眠、自覚症状について質問させていただき、その後の検査方法を決定します。
SASが疑われる場合は、夜間の状態を診るため、夜間の睡眠時状態の検査をします。
入院が必要なポリソムノグラフィ検査と自宅で検査可能な簡易検査があります。
■治療法の決定
SASは睡眠中に酸素不足になり心筋梗塞、脳梗塞などを発病しやすくなると報告されています。
治療には有効性の極めて高いCPAP療法があります。
睡眠中に鼻マスクを装着し、鼻マスクから空気が一定圧で送り込まれ、睡眠中に緩んだ喉の筋肉によって喉が塞がってしまうのを防ぎます。
このほかマウスピース、外科的治療などがあり、症状に応じて治療方法が決定されます。