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メディカルニュース 大人の風疹・予防について

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メディカルニュース

2012年7月

 

大人の風疹・予防について

成人男性の風疹流行

妊娠初期の女性が風疹に感染すると、赤ちゃんに障害が残ることがあります。
その風疹が成人男性で流行しています。

罹ったかどうか分からない人は、積極的に予防接種をしましょう。
風疹患者は今年、兵庫県や大阪府など関西地方で流行が始まり、東京都や神奈川県などでも増えてきて、全国の患者数は、25週(6月24日)までで計453
その453人のうちなんと350人(77%)が男性です。
全数集計が始まった2008年以降で最多だった2011年の371人をすでに超えています。

国立感染症研究所感染症情報センターの多屋馨子さんは「去年から感染が増えていた。風疹の流行は2~3年続く。現在、流行していない地域でも十分な注意が必要」と注意を喚起しています。

 

 

風疹の症状 ・ 先天性風疹症候群

風疹は、せきやくしゃみによる飛沫感染が大半で、発疹や発熱、後頭部リンパ節腫脹が主な症状ですが、まれに脳炎などの合併症を引き起こすこともあります。
大人がかかると、子どもより症状が重症化し、関節痛がひどくなります。

特に注意が必要なのは、妊娠の可能性がある女性で、妊娠初期で風疹にかかると、胎児が風疹ウイルスに感染し、難聴や心疾患、白内障、発達の遅れなどの「先天性風疹症候群」になることがあります。

                                          右は風疹の皮膚症状

 

風疹の予防

風疹は、ワクチン接種で十分予防が可能です。我が国の風疹ワクチンは1977年から、女子中学生を対象に始まりました。
その後、何度か制度が変わり現在は、1歳と小学校入学前1年の計2回、麻疹と風疹を防ぐMRワクチンを接種します。
免疫が不十分な人が多い世代への対策として2008~2012年度の期間限定で、中学1年と高校3年相当年齢の者への追加接種も実施されています。

ことしの風疹報告患者453人中350人の男性では、20代と30代が6割を占め、女子中学生だけが対象だったり、接種率が低かったりした世代と重なります。

実際に、20代後半の男性の10人に1人、30~50代前半の男性の4人に1人は、風疹への免疫がありません。
女性も、接種の機会が1回しかなかった20代以上で、免疫のない人が5%ほどいます。

近年は、出張先のアジアなどで風疹ウイルスに感染した男性が、職場内で広げたり、妊娠中の妻にうつした例もあります。
妊婦が感染しても、先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれるとは限りませんが、妊婦さんは心配でつらい思いをするし、うつした方もつらいことになります。

ワクチンは複数回接種しても大丈夫なため、流行している今年は、妊娠する可能性がある人やその夫などは、免疫(抗体)の有無を検査する手間を省いての接種も可能です。
ただし女性はワクチン後2カ月間、避妊する必要があります。
問題なのは、無料で受けられる接種期間中に、受けていない子がいることで、研究所の調べでは、最も接種率が高い1歳児でも、2008~2010年度に未接種だった子どもは全国で計18万人に上ります。
高校3年相当年齢では81万人にもいます。対象となっているお子さんは、ぜひ早く受けて下さい。

 

妊娠前に抗体の有無検査

感染が最も心配されるのは妊娠している女性です。
現在は、初期の妊婦健診の血液検査に、風疹に対する免疫があるか調べるHI抗体検査が含まれています。
HI抗体の値が16以下の場合、免疫が低いため注意が必要です。
抗体が低かった人は、妊娠5カ月までは人混みに入らず、家族はワクチン接種を受けることが望ましいということです。

妊婦自身は予防接種を受けられないため、出産後、すぐに受けます。
妊娠前に、抗体の有無を調べる検査や予防接種は医療機関によって価格が違いますが、だいたい数千円ほどです。
最近は、結婚前の人が自費で受ける健診(ブライダルチェック)に、風疹抗体検査が含まれている場合もあるということです。

 

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