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ふくろう通信 体の冷えについて

  • ふくろう通信

2009年2月

低体温と体の冷え

 

 

2月、まだまだ寒い日が続くと思われます。
もともと人間はアフリカ産ですから、寒さは体にとって、かなりのストレスになるようです。

その証拠に私どもの診療所に来ていただく患者さんは冬に多く、夏は減ります。
その多くの原因は風邪ですが、他にも恐い病気があります。
脳卒中や心筋梗塞は冬の朝に起こることが多く、肺炎も冬に多く見られます。
癌や膠原病などの疾患の死亡率も冬季に上昇します。冬には、低体温、体の冷えによっておこる病気に十分に注意する必要があるのです。

 

東洋医学では冷えは極めて重視され、万病の元といわれます。
今の日本人は35℃台の低体温が多いといわれています。

原因に運動不足、食習慣の変化、ストレス、水分の取りすぎなどが考えられます。
低体温こそが病気の温床であることを長大医学部出身で有名な石原結實先生と、新潟大学教授で免疫学の大家の安保徹先生は次のように指摘しています。

体温は36.5℃が最適で、その時の深部体温は37.2℃位になり、生命維持に欠かせない酵素が最も活発に働くようになります。
体温が1℃下がると代謝が12%落ち、免疫力も30%低下します。
最初は手や足の末端の「冷え」から始まり、肩こり、頭痛、腰痛、便秘や下痢、そして内臓系の病気へと拡がるのです。
また低体温は体調ややる気などの精神状態にも影響を及ぼします。心も冷えてマイナス思考に陥りやすくもなるのです。

 

がん細胞も低体温を好みます。
がん細胞は一番活発に増殖する体温は35℃ですから、血流が悪化し、かつ酵素活性が低くなる低体温はがん細胞にとって、非常に増殖しやすい環境となります。

逆にがん細胞は血流が良くて、体温が高いと活動が低下します。
がん細胞を攻撃するリンパ球は38℃で最高になります。発熱はがんを治すチャンスです。低体温の原因となるストレスもがん細胞の強力な応援部隊です。
また大きなストレスを抱え込むと、交感神経が長期にわたり過度に緊張し、リンパ球が減少し、がん細胞が増大します。

 

近年問題となっている不登校や引きこもりの生徒たちも体温が低いといわれています。
朝には学校に行きたがらないのに、お昼になると行きたくなるのは体温が上昇してくることも影響があるのでしょう。また、いじめなどの陰湿な行為を行う生徒たちも低体温が多いことが考えられます。
うつ病や自殺者も低体温の方が多く、実際自殺が多い国は北のハンガリーやスウェーデン、フィンランド、日本では秋田、新潟、青森などです。

 

さてこうした低体温を脱け出すためにはどうしたらよいでしょうか。
一つは汗をかくまで体を温めることが重要です。運動でも風呂やサウナでもいいですから、汗をかく習慣を作ることです。
低体温の予防には夏には冷房の使いすぎを避ける、日ごろから運動をすること、体を冷やす飲食を避ける、たとえば、冬に冷たいアイスクリームを食べたり、冷やしすぎたビールを飲まないことです。
食べ物には体を冷やすものと暖めるものがありますので知っておくことお勧めします。
また高血圧のコントロールの悪い方にはあまり勧められませんが、塩分を十分に取ることは体を温めます。

 

漢方では2000年前に編纂された「傷寒論」という、寒さが病気を生じることを論じた非常に有名な古典があります。
昔からわかっていたのですね。冷え性に効く漢方薬には、葛根湯、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、温経湯、真武湯、人参養栄湯、半夏白朮天麻湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯など多数あり、症状に応じて使い分けます。

 

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