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ふくろう通信 たばこ特集①

  • 偉大な音楽家のお話

ふくろう通信
2000年5月号

 

特集 タバコ

その1 喫煙と健康障害

タバコは体に悪い、ということで昔から人は禁煙しようとずいぶん苦労してきました。

肺癌等の癌になりやすい他、まだまだいろいろな体への悪影響があります。受動喫煙も無視できない問題です。
私自身、現在、タバコは全く喫いませんが、最近いたずら心に一本だけちょっとすってみました。
すると吐き気と頭痛で気分が一時悪くなり、くらくらして大変でした。
原因は一酸化炭素の急性中毒のためです。
タバコの主煙流には4000種類以上の化学物質が含まれ、そのうちの200種類以上は有害とされています。

喫煙によりタール、ニコチン、一酸化炭素等の数多くの有害物質が体内に取り込まれ、短期的、長期的に人体に障害を与えます。喫煙による影響を列挙してみますと、

①発ガン作用
気道系の肺癌、喉頭、咽頭ガンが多発します。その他にも食道癌、膀胱癌、胃癌等の死亡率が高まります。

②呼吸器疾患
肺気腫や慢性気管支炎になりやすく、年とともに慢性の呼吸不全の原因になります。
特に女性は男性と比べ同量の喫煙量で肺気腫がより重症化する傾向にあります。
前の病院では喫煙による呼吸不全のため人工呼吸まで必要になった患者さんを、数多く経験しました。

③循環器疾患
動脈硬化、血管炎、狭心症や心筋梗塞になるリスクが増大します。
タバコを多く吸う方は明らかに心筋梗塞になりやすい傾向にあります。

④胃、十二指腸潰瘍
粘膜の血流障害や直接作用で潰瘍になりやすくなります。

⑤妊婦への影響
受動喫煙や本人の喫煙により、流産等の妊娠異常が多くなり、低体重児が生まれやすくなります。また周産期死亡率が上昇します。

⑥受動喫煙
副煙流と比較し主煙流に、より有害物質が多く含まれます。
夫が非喫煙者の場合、非喫煙の妻が肺癌になる確率を1とすると、20本以上喫う夫の場合、その妻(非喫煙者)が 肺癌になる確率は2.08倍となり、妻も喫煙者の場合は何と3.77倍にもなります(1981年、平山雄、国立がんセンター)。
両親が喫煙をするとその子供の呼吸機能は低下傾向を示し、喘息様気管支炎が発生する危険性が高まります。
このように喫煙は近しい人までも危険に巻き込みます。

⑦歩きタバコ
ポイ捨てしたことありませんか。
まず街が汚れます。
第二に他人に灰が降りかかることがあります。
第三に火そのものの危険性。幼女が火傷で失明寸前になった例(犯人逃げて不明)や衣服の焼け焦げなどの人への直接的障害、さらに家屋、林野火災を起こします。
そしてタバコそのものの以上述べた危険性を他人に与えているのです。

喫煙対策を積極的に取組んでいる、米国において喫煙率は20%を割っているのにわが国では男性の喫煙率は50%以上で先進国最高。
タバコは税金として2兆8000億円(1990後藤公彦)にもなりますが、それをはるかに上回る5兆6000億円もの医療費や喪失国民所得、個人の健康悪化に目をむけると、失うものの方が大きい。
タバコは呼吸器の医者としては以上の理由で決してお勧めできませんが、マナーをきちんと守っていただくならば個人の責任において吸うのはかまわないとは思います。

 

しかし禁煙は重要、禁煙しようとお考えの皆さん、次回号にご期待下さい。最新禁煙方法をご紹介します。

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