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ふくろう通信 睡眠の謎に迫る③ 睡眠薬、よき睡眠を促すには

  • 偉大な音楽家のお話

ふくろう通信

20148 

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睡眠の謎に迫る③ 睡眠薬、よき睡眠を促すには

 

年をとるにつれ、なかなか眠れなかったり、睡眠が浅くなり何度も起きたり、様々な問題を抱えるようになります。

またストレスや心配事で眠れなくなることもあります。
酒を睡眠薬代わりにする人もいますが、実は良質な睡眠はとれません。

そこで睡眠薬の登場です。
患者さんの強い希望で、私もつい要求通り、処方することが多いのですが、ここでは睡眠薬の問題について考えてみましょう。

 

睡眠薬について

以前使われていたバルビツール系睡眠薬は過量に服薬すると、死亡する危険性がありましたが、現在使われている睡眠薬はまずその心配はありません。
しかし依存性はありますし、一過性に記憶がとぶ現象が見られることがあります。

少量から飲み始めて、次第に量が多くなってくると、これらの副作用が顕著になります。
だからできるだけ服用しない、するとしても必要最小限に止めるのがいいのですが、さてどうしたらよいでしょうか。

 

睡眠薬を使わなくするための知恵

人間には体内時計があり、これをうまく利用すると、睡眠がうまくいきます。
体内時計を整えるには次のことを守るとよいです。

 

①朝起きたら日光がはいる環境に

②昼寝をするなら20分以内に

③運動習慣を身につける

④カフェインなどの飲み物は就寝4時間前までに

⑤就寝2時間前までには夕食を済ませる

⑤寝るときは部屋の照明は暗く

⑥寝酒は止める

⑦就寝直前のパソコン、テレビはやめる

 

明るくなると起き、暗くなると眠るといった、生理的で規則正しい生活、運動で体を疲れさせ、夜はぐっすり眠るようにする、寝る前のコーヒーは控える、などの工夫がよいのですね。

体内時計とは

さて体位内時計とは何でしょうか、人の体内時計の中心は脳の視交叉上核にあります。

脳の松果体から出るメラトニンという「睡眠ホルモン」がその体内時計に働きかけ、覚醒と睡眠のバラスをとるのです。

 

メラトニンの働き

朝の光でメラトニン分泌は停止し、脳にある体内時計がリセットされて、活動状態になりす。
目覚めてから14〜16時間ぐらい経過するとメラトニンは再び分泌され、その作用で眠気を感じます。

 

メラトニンの不足

メラトニンは光によって調節され夜中に強い照明ではメラトニンの分泌量が減り、体内時計に休息の時刻が伝わらず、睡眠覚醒リズムが乱れます。
また加齢により、分泌量が右図のように減ります。

朝早く目覚めたり、夜中に何度も目が覚めたり、若い頃より睡眠時間が減るのは、体内時計の調節機能が弱まっているためと考えられています。

 

メラトニンの働きを助ける薬

タケダの「ロゼレム」という、メラトニン受容体に働く薬があります。
これにより体内時計の働きを強め、睡眠と覚醒のリズムを調節します。

この薬は、今までの睡眠薬と違い、新しい視点で開発された、ユニークでいい薬です。
これで従来の睡眠薬を減らしていくことも可能でしょう。

私はタケダの回し者ではありませんが、この薬の開発者、内川氏の熱のこもった講演を拝聴し、とても感動しましたので、この薬をご紹介しました。

 

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