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ふくろう通信 不思議なご縁

20112 

 

不思議なご縁

人生のある時点で、重要な分岐点や思いがけない出会いなどがあります。
これらは何とはなく、あらかじめ用意されているように感じることもあります。
研究がうまくいき、その演題が国際感染症学会で受理され、生まれて初めて海外での学会で発表したのはなんとチェコの首都プラハ。筆舌に尽くしがたい美しい街でした。そしてザルツブルグやウイーンも旅することができましたが、これらの都市は私の最愛の作曲家、モーツアルトに最もゆかりある街々で、いつかは行ってみたい唯一無二の場所でした。病院勤務していた時、そろそろ診療所を開業しようかな、と思ったまさにそのころ、ある葉書がきっかけとなって、この愛する橋口町で開業ができました。偶然か必然かは別にしても、不思議な縁を感じることが度々あります。

以下に述べることはつい最近のことです。人生を決するほどのことではないのですが、私にとってはとても大切なことのように思えるのです。

 

石井 高氏はバイオリン発祥の地、イタリアのクレモナで活躍する優秀なバイオリン製作者です。当地のバイオリン製作者も一目おく方で、みんなに慕われておられます。私はこの高名な方とつい最近、有難くも知己を得ました。

ところできたる3月20日と21日の両日は長崎交響楽団と長崎オペラ協会が共催して、私の大好きなプッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』を演奏する予定です。今それに向け毎週猛練習中で、1月16日(日)も練習日。とても寒い雪の降る日でした。練習を終わって、私の大学時代からの友人で、コントラバス奏者のN君に、「最近、秋津智承氏の京都嵐山の名刹でのチェロの演奏をNHK衛星放送で見てとてもよかった」と言ったところ、彼が「長与で1月21日その秋津さんが来られて演奏会があるから来たら」、といいます。偶然でした。

 

その日、妻とともに演奏会場に行くと、N君から紹介したい人がいる、というのでお会いしたのが石井さんでした。こじんまりした暖かい雰囲気の中で演奏は進められ、私は氏の横に座ることができ、バイオリンにちなむ面白い話を聞きながら、大変素晴らしい演奏をきけました。エルガーの愛の挨拶などの小品から、エルガーの名曲、チェロ協奏曲(ピアノ伴奏)まで盛り沢山。私の妻はチェロが好きで大層喜んでいました。ちなみにエルガーは私の愛犬の名前です。

 

バイオリンの話の中で、石井さんに私の持っているクレモナ製のバイオリンのことをお話しました。私がとても気に入っているバイオリンです。それは誰が作ったのと聞かれ、「ファブリッツィオ・ポルタンティです」と答えると石井氏は「ポルタンティはよく知っている、いいやつで若い頃は私の工房によく遊びに来て、私が教えてあげた」と仰ったのにはびっくりしました。また実は私は石井氏が書かれた『秀吉が聴いたヴァイオリン』という本(右)を20年前に買って読んでいたのでした。内容はかなり忘れてしまったので今再び読み直しているところです。また30年前初任給のすべてかけて買ったビデオ、ベータマックスで最初に録画したのは『川の流れはバイオリンの音』、何回も見ました。クレモナの町とポー川が舞台。これも石井さんがNHKに協力して作られたと聞いております。深い縁を感じました。現在石井さんは長崎歴史文化博物館で弦楽器の臨時工房を開かれており、2月15日まで楽器の修理、調整をされておられます。