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ふくろう通信 明治、大正、昭和、平成そして令和

  • 2019年

2019年(令和元年)5月 第236号

明治、大正、昭和、平成そして令和

今日は、令和元年5月1日です。気持ちよく起床し、愛犬と平和公園を散歩。祈念像に向かい深く一礼しました。令和を迎えて日本と皇室が、平和で末永く栄えますように、と素直な気持ちでお祈りしました。帰ってきて、庭木に水を十分あたえました。令和を祝うかのように咲いている花たちにありがとうを言いました。家の中を片付け、部屋を夫婦二人で心を込めて大掃除をしました。これで新しい御世を迎えるにあたり、少しばかり清められた感じがしました。

時(とき)に、初春(しよしゆん)の令月(れいげつ)にして、気(き)淑(よ)く風(かぜ)和(やはら)ぎ、梅(うめ)は鏡前(きやうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き、蘭(らん)は珮後(はいご)の香(かう)を薫(かをら)す

その意は、「初春の良き月夜、空気は澄み風は和らぎ、梅の花は美女が鏡の前で白粉を装うように花を開き、蘭の花の香りは身を飾った衣に香りを移したような匂いである。」何とも優雅ですが、典拠は万葉集』巻五にある一文です。中国の古典からではなく、今回初めて日本の万葉集からです。この令和もだんだん身近なものになっていくことと思います。

 

明治:典拠は中国古典『易経』の「聖人南面而聴天下、嚮明而治」からで、「聖人が北極星のように顔を南に向けてとどまることを知れば、天下は明るい方向に向かって治まる」という意味です。この時代、日本は急速に近代化し、戦争を2度経験、列強の仲間に入っていきました。しかし夏目漱石は、すでに破滅に向かう日本を暗示したような文章を書いていていました。私の祖父は明治18年生まれ、明治時代生まれらしく大変厳しい所もありましたが、私を山登りに連れて行ってくれたり、良き小説家を教えてくれたり、世界の情勢を教えてくれたりで、優しくも教養の深い面がありました。しかし子供にとって恐ろしい祖父の言葉が思い出されます。「正和(私の名前)よ、世界から決して戦争はなくなることはないぞ、これからもあるに違いない。」というものでした。それは明治、大正、昭和を生き抜いた祖父の実感だったのでしょう。まさにその通りでした。

 

大正、昭和、平成:大正も易経より「『大』亨は以って『正』天の道なり」という言葉が由来で意味は「天が民の言葉を喜んで受け入れ、政冶が正しく行われる」というものです。そして64年と最も長い元号だった昭和は書経から「百姓『昭』明・協『和』万邦」という言葉が由来です。込められた意味は「国民の平和と世界の共存・繁栄を願う」となっています。そして2019年4月まで続いた平成は、史記からの「内『平』かに外『成』る」と書経からの「地『平』かに天『成』る」という言葉それぞれから平成と付けられました。「内外、天地ともに平和が達成される」との意味で、元号が重なるにつれ、平和を尊いものとする意味が強まっている様に感じられます。しかし皮肉なことに歴史を振り返ってみると、祖父の言葉通り、必ずしもそうとばかりにはなりませんでした。私の父は大正生まれで健在、軍隊に入りひどい目にあいましたし、父の兄は満州の地で軍医で戦死、弟は長崎医専で被爆死しました。祖父母も被爆しました。母方も似たようなものでした。

 

令和に込められた真意は何でしょうか?安倍総理によると「令和」には「希望に満ち溢れた、新しい時代を切り開いていく、若い世代が活躍できる時代であってほしい。若者がそれぞれの花を咲かせることのできる日本を創りたい。」だそうです。本当にそうならば良いのですが。

人々が心美しく、希望に満ちた中で文化が花咲き、平和な令和の時代でありますように

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