男たちの精子が枯れていく
- 偉大な音楽家のお話
MEDICAL NEWS NO.55 NOVEMBER 2017
この衝撃的な題名はニューズウィーク誌の2017年10月24日号に掲載されていました。今回はその内容をもとに、概略ご報告したいと思います。
① 不妊の原因が女性だけでなく男性にもかなりの原因があることが判明してきた。
② 近年精液の減少が認められるようになってきた。欧米では精液lmlあたり、1973年には9900万個あったものが、2011年には4710万個まで減少した。中国や日本も同様の傾向にある。
③ その原因として考えられるものを挙げると、携帯電話の電磁波、肥満、運動不足、ストレス、過剰の飲酒、ストレス、薬物の常用などがあげられる。
④ また不妊の原因に精子の運動性の低下、精子の変異の増加が年齢とともに増加、高齢ほど不妊の確率が高まった。
⑤ しかし精子の数の低下の、さらに有力な原因の一つが内分泌かく乱物質(環境ホルモン)の影響が考えられる。
⑥ 環境ホルモンの影響を示す証拠の大半は動物実験から得られたものである。
⑦ また環境ホルモンは自然界に対する影響として、メス化する危険性をあげ、米国東部の淡水魚、コクチバスの精巣内に卵細胞が数多く見つかるようになり、このようなことが数多く見られるようになってきた。
⑧ 更に懸念されるのが胎児に対する環境ホルモンの影響で、生前からホルモンにさらされた世代が適齢期になると、さらに精子の減少が続いてもおかしくないと考えられる。
⑨ 残された時間はほとんどなく、この問題を放置するとさらに精子の数は減少の一途をたどるであろう。
⑩ またこの問題に対する一般の人の意識レベルも低く、男性不妊の診断や治療を行うのが泌尿器科だと知っている人は少なく、受診したことのある人はさらに少ない
⑪ 男性が自宅で精液を採取して精子数を調べる検査キットも販売されるようになった。男性が自分の意識を高め、妊娠は女性だけの問題ではないという認識を持つことに役立つ。
いかがでしたか。私たち医者は精子の減少問題はずっと前から知っていました。
主な原因は環境ホルモンでしょう。ビスフェノールAやフタル酸などの、数多くの地球環境に重大な影響を与える内分泌かく乱物質が自然界からなくなるよう、努力を続けなければなりません。