メディカルニュース 我が国の高病原性鳥インフルエンザの発生状況と病気について
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MEDICAL NEWS NO.49 JANUARY 2017
我が国の高病原性鳥インフルエンザの発生状況と病気について
平成28年11月28日に青森県において、今年度、家きんでは国内初となる高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜が確認され、平成28年12月1日に高病原性鳥インフルエンザ(H5N6亜型)であることが確認されました。平成28年12月21日現在、4道県6戸の農場で高病原性鳥インフルエンザが確認されています。
ニワトリ、ウズラ、アヒル、七面鳥などの家禽(かきん)がもっているA型インフルエンザウイルスによる感染症で、ヒトの季節性インフルエンザとは感染症法上で区別されています。鳥インフルエンザウイルスは、鳥に対する病原性の強さから高病原性と低病原性に分類され、ヒトへの感染例が確認されているものは、高病原性はH5N1およびH7N7亜型ウイルス、低病原性はH9N2亜型ウイルスがあります。現時点でヒトからヒトへの感染は確認されておらず、とりの体液や排泄物を吸飲したり、生肉を摂食することで起こります。発症後の致死率は60%です。症状
は通常のインフルエンザとよく似ており、発熱、呼吸器症状、全身倦怠感(けんたいかん)が主症状です。さらに、高病原性鳥インフルエンザでは、急速な呼吸不全や全身症状の悪化、多臓器不全の合併症を起こして死に至ることが、これまでの感染事例から報告されています。A型インフルエンザに有効な抗インフルエンザ薬のタミフル、リレンザおよび静注剤のラピアクタが有効で、発症した場合は48時間以内の投与が効果的です。