ふくろう通信 謹賀新年 酉年にちなんで
- ふくろう通信
2017年1月 第208号
謹 賀 新 年
酉年にちなんで
明けましておめでとうございます。申年から今年は酉年です。昨年の丙申は「革命」の年といわれ、大きな変革や争いのある年になると年頭に書きましたが、まさにそのような年だったと思います。ますます世界が混乱のるつぼの中にはいっていくようです。酉年はどうでしょうか。当院のシンボルマークはご存じのようにふくろうです。フクロウから酉年にちなんだ、新年のご挨拶をおくります。
年末のNHKの番組にフクロウに関するするものがあり、それによると、ふくろうはとても狩りが上手で、獲物を的確にとらえる技術が発達しているとのことです。とりわけ印象的だったのは世界でも最大級のカラフトフクロウでした。顔がとても大きく羽毛が取り巻いて、集音にとてもいい具合になっているのです。ちょっとした小さな音でもとらえることができ、遠くのハタネズミが雪の下30cmで動いている音をとらえ、急降下し、目には見えない地下のネズミを確実にとらえたのでした。これは凄い映像でした。だいたいフクロウは羽音をたてずに獲物を狙うので、狙われる側は虚をつかれてしまいます。土の中にいるネズミは、襲われるとは露ほども思ってもみなかったでしょうね。
カラフトフクロウ
さて私がフクロウ、ネズミが病気とおきかえて考えてみましょう。あまりいいアナロジー(たとえ)ではないのですが、よくわからない病気で苦しんでいる患者さんに対し、的確に診断しその病気を治すことができれば、まあ「やぶ医者」とは言われないと思います。目には見えないもの(病気)を見出し、それを素早く退治(治療)するのです。私も馬齢を重ね、今年で63歳になりました。若いピカピカの医師たちは、最新の知識もあり、私が持っていない技術力もあるでしょう。しかし私には今まで積み重ねてきた経験があります。これらをもとに、これからもこの小さな診療所で、精一杯努力していく所存です。どうぞよろしくお願いします。
鳥は空を飛べますね。そしてはるか空の上から地上の様々な様子を一望することができます。最近は技術が発達し、ドローンが私たちをカバーし、飛べないで見ることのできない、地上の様子をそれで見ることができるようになりました。悪用してはいけませんが、これでいろいろな情報を得ることができますね。私もドローンではないですが、鳥のように空をはばたく気持ちで地上の様子を見るように、広く見渡せる目を持って、診療にあたっていきたいと思います。そしてはるか先を見るように、患者さんひとりひとりの生活されている様子を踏まえ、予防的な医学も考えていきたいと思います。
私のただ一人だけの兄妹の妹が東京にいます。彼女は酉年です。子供時代はよくケンカしたものでしたが、今はとても仲良くしていて、いろいろな助言もうけます。それなりの苦労もしたためか、とても人間的に立派な妹になりました。酉年の性格、とりわけ長所は、頭の回転が早くバランスが取れているところです。洞察力に優れ、細かいところにも良く気がつきます。また、にわとりは、武士が備えるべき5つの徳を備えているといわれています。5つの徳とは、知・信・仁・勇・厳です。確かにそのような所のある、やさしく、いい妹をもったものだとありがたく思います。酉年、そしてそれ以外の皆さんにおきましても、今年がよき年でありますよう、心よりお祈りいたします。