ふくろう通信 何故モーツアルト(の音楽)はそんなにいいのか?
- ふくろう通信
2010年11月
何故モーツアルト(の音楽)はそんなにいいのか?
わたしは人後に落ちない、モーツアルト愛好家です。それでこんなテーマをかかげたわけです。
小学校の低学年のころ、モーツアルトのアイネ・クライネ・ナハト・ムジーク(ドイツ語で「一つの小さな夜の曲」の意、つまり小夜曲、ああいいね、暗いね、ナイトミュージック、わかりますか?)を長崎児童バイオリンオーケストラの中で弾いていたころから、なんと気持ちのいい曲なんだろう、という思いがずっとしていました。
そこで今回はモーツアルトが何故いいのかを考察したいと思います。
- まずは誰にでもすぐに理解され、愛される音楽です。
上に述べたアイネクライネナハトムジーク、これを知らない人はまずいないはずです。映画「アマデウス」にも効果的に用いられていました。その典雅な曲調によって有無を言わせずに、すーと人の心のひだに入ってくるのですね。
- それでいて特に後期になるほど内容はそれほど単純ではなく、奥が深いことがわかります。
努力を重ねたぶん、やはり年齢とともに音楽はさらに立派になっていきました。たとえば弦楽四重奏曲は初期よりも中、後期は格段に素晴らしい作品になっており、モーツアルト自身もこれら作品は難産の末、産み落としたといっています。それを献呈されたハイドンはモーツアルトの父親レオポルド・モーツアルトに、今までこれほど立派な作曲家を私は知らないと絶賛。モーツアルトは努力の人でもあります。
- ほぼすべてのジャンルにわたって、それもきわめて質の高い音楽を量産しました。
ショパンはピアノ曲、ワーグナーは楽劇と呼ばれるオペラ専門、ヴェルディやプッチーニもやはりオペラ専門、ベートーベンは多くのジャンルは作ってはいますが、オペラは一曲だけで偏向が見られます。モーツアルトにはそれが全くありません。すべての分野(器楽曲、室内楽、交響曲、協奏曲、声楽、オペラなど)にわたり沢山傑作を残しました。
- モーツアルトは後世の音楽家に甚大な影響を与え、また愛されましたが、似てはいてもモーツアルトのような音楽を作る作曲家は誰もいません。そして多くの作曲家、芸術家がモーツアルトを心から賞賛し、愛した文章を残しています。
- 実に大変真面目な人でありました。
もちろんユーモアたっぷりな人ですが。「アマデウス」という映画で誤解されている方も多いと思いますが、遊び好きで女たらしでは決してなく、規則正しく生活し、妻を愛し、音楽に命をかけました。
ただお金の管理がイマイチで、いつも見栄のためか必要以上に使い、家計はいつも火の車でした。
- モーツアルトの時代背景を考えると、彼がいかに自分に誇りを持ち、決して権威に屈従せず、新しいものを摂取していく、勇気ある人間であることがわかります。
オペラ「フィガロの結婚」はこれから貴族から市民へと権力が徐々に移行するのを象徴しています。
- 彼の音楽はよく音楽療法に用いられるもので、その理由があるのです。
フランスのトマティスは耳のトレーニングが語学習得に有効であることを証明しましたが、特にモーツアルトの音楽の高音域が重要であるようです。
フランスのブルターニュ地方の乳牛にモーツアルトの交響曲を聴かせた所、普段より質の高い牛乳が多量に出るようになったことから、人間だけに効くわけでもなさそうです。ところで彼の洗礼名は、、、
ヨハンネス・クリュソストムス・ウォルフガングス・テオフィルス・モザルト
・・・・・長いですね。