ふくろう通信

ふくろう通信 アレッポの石鹸とシリア内戦

今ほど何かときな臭い、いくさの匂いのする時期は、最近ではないことです。
アジアではベトナム戦争を最後に大きな戦争はないのですが、いろいろ懸念材料は山ほどあります。
遠くに目をやると、一番にシリアの内戦に心が痛みます。シリアの美しい街、アレッポはほぼ破壊しつくされました。

私の家ではそのアレッポの石鹸を、時々使っていました。
泡立ちは今一つの素朴な石鹸でしたが、好きでした。
それだけにアレッポのことが気になり、残念でならないのです。
ご存じの方も多いかと思いますが、今回は有名なアレッポの石鹸を紹介します。

私にとっては泡立ちが少し悪く、匂いもちょっと変なアレッポの石鹸です。しかしこれがいいのです。
オリーブオイルとローレル(月桂樹)オイルが原料で、
化学物質(合成界面活性剤、防腐剤・酸化防止剤・発泡剤・人工香料など)を一切使わない石鹸です。
成分が自然のものばかりなので、安心感はあります。
製法は昔ながらの釜焚き製法。自然のものを原料にし、人工香料も使われていないので、原料の匂いがします。
発泡剤を使わないので泡立ちが今一つですが、好意的に解釈すれば、これが石鹸本来の姿かもしれませんね。
人工香料の香りが強く、泡立ちの良い、日本の石鹸の方が本当は不気味かもしれません。
色は全体が緑色なのですが、乾燥した外側は茶色です。2年間も自然乾燥で熟成され、手間暇かけて丁寧に作られています。
数ある石鹸会社の中でもトップクラスの品質はアデルファンサ社です。
内戦のため一時入手困難になりましたが、戦闘地区を離れた場所に工場を移し、また製造されているようです。

下の写真はネットで拾ったのですが、アレッポの被災前後の写真です。ひどいものです。

シリアで首都ダマスカスに次いで立派な都市だったのに無残です。
シリア内戦は、2011年から始まり、アサド大統領率いる政権側をロシアなどが支援し、反体制派をアメリカなどが支援しました。
過激派組織「イスラム国」も加わり戦いは泥沼化。こうした中、アレッポでは去年12月、政権側がアレッポ全域を制圧しました。
旧市街は、特に激しく破壊され、世界文化遺産に登録され、内戦前には観光客も多かった地区は、無残な姿になっています。
古代の面影をとどめてきた市場もあちこちが壊れ、がれきが散乱、市民の心のより所だったモスクも破壊されました。
アレッポ市内では激しい戦闘は収まりましたが、周辺の地域ではいまも戦闘が続いていて、内戦終結の道筋は見えていません。
シリア内戦では、数十万人が死亡し、約500万人が難民となって国外に逃れました。

平和が完全に戻り、平和の象徴であるアレッポの石鹸が再び沢山生産されることを祈ります。