ふくろう通信

ふくろう通信 上医、中医、下医

ふくろう通信

2013年12月

 

上医、中医、下医

中国には物事を天人地の上中下にわけ、その良し悪しを論じる思想が古代からあり、医者のランクもこれで語られていました。

5世紀の中国の医書「小品方」に、上医は国を治し、中医は人を治し、下医は病を治す、というスケールの大きい格言があります。
さしずめなんとか下医たる私は、せめて中医を目指すべきでしょうか。

今回は上医、中医、下医について考察しましょう。

上医、中医、下医はまた別の分け方もあります。
上記以外では

その1、上医はいまだ病まざるものの病を治し、中医は病まんとするものの病を治し、下医はすでに病みたる病を治す。
その2、上医の勤勉な医者は、毒さえも薬となして人を助ける。中医の凡庸な医者は、薬を薬として使って人を助ける。下医の怠惰な医者は、薬を毒となして却って病を重篤にする。
その3、化学合成薬を使って治療する医師を下医と言い、漢方医のことを中医、そして食事で病気を治す人を上医、つまり食医と言う。
これらのように、いろいろな分け方があり、まだいろいろ考えられますが、以上要約すると

良き医師とは人ばかりではなく、社会全体に目を向けて、病んでいるところを治し、なおかつ予防医学に徹して、まず病気にかからないように指導し、毒になるものでもそれをうまく活用して、薬として使用する。
そして食生活など生活習慣を十分考えて、病気を治していく。

2000年以上前の中国の医学書「黄帝内(こうていだい)経(けい)」の言葉に「未病」があります。

健康と病気の中間の概念で、未病の時期に治すのが名医という記述があります。江戸時代貝原益軒の書『養生訓』に「未病とは病が未だ起こらない状態で、養生が必要だが、そのまま放置しておけば大病になる」と書かれています。
こうして考えてみますと、今言われているメタボは殆ど生活習慣病の元ですから、食生活や日頃の運動を含めた日常生活が大変重要になります。
病気は自分で作り出しているところも多々あります。
自分自身が「上医」となって、日常生活を注意深く過ごすと、未病のうちに病を治し、医者知らずとなるでしょう。

私たち医者も難しいことですが、本来はできるだけ薬に頼らず、予防面、生活指導を重視し治療していくべきなのでしょう。でも、そもそも私自身の日常生活は大丈夫かしら?と自問自答したくなります。

 

 

トピックス:ななつ星列車

NHKTVで、JR九州のななつ星寝台列車の紹介があり、大変興味深く見ました。
黒木瞳さんらが出演して紹介していく番組でしたが、とにかく驚いたのはその列車の常軌を逸する超豪華さ。
トラブル続きのJR北海道ではちょっと無理かもしれません。

JR九州にはいろいろ個性的な列車が多いのですが、これらほとんど全てはJR九州デザイン顧問の水戸岡鋭治氏の作品であり、ななつ星も彼が以前から構想を練り、完成させたものだそうです。
その細部にいたるまでのこり方は、本当にすごい。
室内はウォールナットの木をふんだんに用い、窓のすだれ意匠、洗面器は柿右衛門など驚くばかりです。

10万から100万円のコースがあり、来年6月まで予約で一杯とか、一度乗って命の洗濯をしたいものです。