ふくろう通信

ふくろう通信 動物たちの深い哀しみ

2020年9月 第252号

 

動物たちの深い哀しみ

 

新型コロナウイルス感染症で、右往左往している人間社会です。これからどうなるかも判然としません。この感染症は私たちにいろいろなことを考えさせてくれます。コロナで死ぬことはとんでもない。怖い。早く何とかしてほしい。ワクチン、薬はいったいどうなっているの?人間が一番大事なのだから。歴史を見ると、ペストで世界中多くの国で人口の半分近くが死んだり、最近では1918年から3波(3年)にわたって続いたスペインかぜ(正式にはスペインインフルエンザ、本当の発症地はアメリカ合衆国)では、世界中で5億人が感染し(当時の世界人口の1/4)、約5000万人が死にました。確かに感染症は時に凄まじい大禍を人にもたらします。しかしちょっとばかり考えてみてください、毎年動物たちは、人間のためにどれくらい死んでいるのでしょうか。

 

人間は食料を得る目的で多くの家畜を飼育しています。人間は大量虐殺者といっても過言ではなく、人間が殺す動物の数は1日に約2億頭近く(or羽)ともいわれています。年間ににわとりが300億羽、豚が200億頭、牛が100億頭殺されています。地球人口は現在77億人、毎年7000万人ずつ増えています。この人間の命のために殺されます。実は私たち家族も、つい最近美味しく、肉を頂きました。その時は殺された牛や豚さんに、すみませんでした。ありがとうございます。と必ず心の中でつぶやくようにしています。偽善的ではありますが、しないよりはいいと思います。やはり動物も殺される前にはよくわかるようで、恐怖感をいだいて死んでいるはずです。人は罪深いと感じ、多く肉を食する国では謝肉祭が行われています。

 

最近知ったのですが、屠殺までの飲水の問題があります。2011年の全国の屠殺場実態調査では、牛の屠殺場で50.4%、豚の屠殺場で86.4%に飲水設備が設置されず、日本の多くの屠殺場で長時間にわたり家畜が飲水できない辛い状況にありあます。どうせ死ぬから関係ないということなのでしょうか。諸外国では屠殺場における動物福祉が進んでおり、アメリカ・カナダ・香港・オーストラリア・ブラジル・台湾・EU・ニュージーランドでは、輸出向けの牛を処理する屠殺場では飲水設備がなければ輸出できません。日本では現在(2020年4月時点)、国内の屠殺場において獣畜用の飲水設備がなくても違法ではありません。 また以前書いたように、日本ではペットの販売、流通過程においても、多くの犬や猫が死んでいて、これも全く先進国とは言えないのが実情です。

 

この様に家畜動物、ペットたちは人間のために身を捧げていますが、自然界にいる動物たちも人間のために多く殺され続けました。象はとても賢い動物です。アフリカ大陸には、植民地化する前には2600万頭もいた象が、象牙をとる目的などで殺され、現在では20万頭まで激減しています。虐殺から生き延びた象や、家族から引き離された象たちは、精神的に深いストレスを残し、その症状が見られます。象は仲間が死ぬと深い悲しみの表現をします。象の社会は傷ついたままです。 日本では日本オオカミが絶滅し、アメリカでは一億羽以上いたリョコウバトは、1906年にハンターに殺されたのを最後に、姿を消しました。この他にも多数の固有種が人により、絶滅しています。

 

動物たちにも心、知性、仲間を思いやる深い感情があります。けがをした仲間に、チョコレートを運ぶねずみ。100以上の言葉を覚えたオウム。死んだ子供抱いて離さないチンパンジー。自分の子供を殺したり、人殺しを簡単に行う人間はまさに動物以下です。有史以来性懲りもなく戦争を続け、殺し合いをし、動物たちに思いやりが欠ける人間には、今後コロナ以上の厄災が、神様より下される気がしてなりません。