ふくろう通信

ふくろう通信 がん 日本の死亡数増加

ふくろう通信

2016年9月

 

 

がんの死亡数が増え続けているのは、先進国では日本だけ

日本人にはあまり知られていない、大切な事実があります。

先進国の中で日本だけ、がんの死亡数が増加し続けているのです。
それも理由のあることがわかってきました。わが国の医療は世界トップレベルだからといって、決して安心してはいられません。私たちは、医者も含め、しっかりもっと学ばなければならないことがあります。

日本人の平均寿命は女性が86.6歳で世界一、男性は80.2歳で第4位。
その数字だけからみると、日本人は健康なのだと思いがちです。米国で1年間にがんで死ぬ人は、約57・5万人。

日本人は約36・5万人、しかし人口10万人当たりで換算すると、日本人の死亡数は米国の約1.6倍にもなっています。
先進国中、がんが原因で亡くなる人が増え続ける唯一の国なのです。

いまや日本ではがん患者が増え続け、2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで死ぬ—そんな時代になり、1年間で新たにがんと診断された人は74万9767人。
がんは、日本人の死因のトップです。
欧米では、だいたい毎年5%ずつがん死亡数が減っています。それに比べ、日本では増加が止まらず、1995年の時点では、日本も米国も同程度でしたが、それ以降、差はどんどん開いていっています。
高齢化しているのは日本と同じである、ドイツ、イタリア、フランスではがんの死亡数は増えていません。

 

食事が原因?
アメリカでは、がんなどが増え続けて1970年代から問題視され、栄養問題特別委員会を設置し、徹底的に調査しました。その結果、がんを減らすには食事の内容を変えなくてはいけない、ということがわかり、FDA(アメリカ食品医薬品局)や米国国立がん研究所が、健康のための数値目標を設定したり、がん予防に効果があると言われる食べ物の作用の研究を進めるようになりました。その国家プロジェクトの成果が実って、’92年以降、増え続けていたがんの死亡数が減少に転じたのです。

健康的な生活?
ひるがえって、現代の日本人は、自分たちが思っているほど健康的ではありません。食生活の欧米化が進み、肉の摂取量は50年間で約10倍、脂肪分は約3倍にも増えました。逆に野菜や果物の消費量は減り、いつのまにか米国を下回っています。日本人は運動量も少ないし、いまでは多くの米国人のほうが健康的な食生活を送っているとすら言えます。

検診率の低下
また日本人の検診の受診率が驚くほど低く、たとえば子宮頸がん検診の受診率は、日本では30~40%ですが、米国では84%。検診で見つかるような早期がんは、9割以上が治ります。

医師の問題意識
患者自身の意識の低さもありますが、医者側にも原因はあり、日本の医師は患者を『治す』ことにしか関心がない。医者は難しい治療をするのが善で、それが本来の医者の姿だと思っているのです。検診をやっている医者は、地位が低く見られる傾向にあります。欧米では検診も医療の一つと考えられ、信頼も高い。また食生活について、十分な情報を与えていない医師側の問題もあります。それらの意味で、日本は予防医学の後進国です。

がんを予防するためには“がん予防の意識を高める”ということが大切です。

先進国では、がん治療よりもがん予防を重要視している傾向があります。
事実、日本よりもがんによる死亡率の少ない先進国の多くでは、がんによる死亡率が減少傾向にあるのは述べたとおりです。がんを予防するためには、がん検診をしっかりと受け、食生活と生活習慣の改善が大切といえるでしょう。