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メディカルニュース 膵臓がん

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2016年8月

 

 

膵臓がんについて

概説
膵臓がん、皆さんはこの病気がなかなか厄介だということは、もうすでにご存じのことと思います。

下図は膵臓(頭部、体部、尾部)の位置を示しています。

 

膵臓がん

私も当院で何例かの症例に遭遇しました。
つい最近もこの病気で亡くなられた方がおられました。
決してまれな病気でもない代わりに、見つかった時、診断が下された時は手遅れのことが多いのが実情です。

どうしてか、それは病初期には症状が見られず、突然黄疸が出現して見つかったりしますが、その時はかなり病期が進展しているのが普通なのです。そうであるなら、どうしたらよいか、少し列挙してみましょう。

  • がんが多くなる年齢(一応50歳以上とします)に達したら、毎年定期的に検査を受ける。
  • 腰痛や、背部痛でも整形外科的な病気でない場合は、膵臓がんも考える。
  • 特に異常はないが、何となく体がだるい、おかしいと思ったら、精密検査を受ける。
  • 理由なく体重減少が見られたときは悪性腫瘍(膵臓がんも含む)も考えて診察を受ける。
  • 黄疸が出たら、膵臓がん以外にまだ多くの病気がありますが、膵臓がんも疑われる大事な病気です。

 

症状
腹痛と黄疸が多く、次いで食思不振、腰背部痛、全身倦怠感、体重減少などで、特徴的な症状が乏しいのが、診断の遅れにつながっています。
なお、糖尿病発症や糖尿病の経過中の急な悪化が診断のきっかけとなることも多いので、新たに糖尿病の治療受けようとされる方や糖尿病が急に悪化された方は、膵臓がんの検査を受けられることをお薦めします

。膵がんではその病巣占拠部位により、臨床症状が異なります。膵がんの60%は頭部にできますが、膵頭部には胆管が通っているため、膵頭部のがんでは胆管が狭くなって胆汁の流れが悪くなり、黄疸が生じやすいのが特徴です。この他、膵頭部がんでは、上腹部痛、背部痛、食思不振、全身倦怠感、心窩部不

CT像 矢印の黒っぽいところが、膵臓がん(下図)

%e8%86%b5%e8%87%93%e3%81%8c%e3%82%93-ct快感、腹部膨満、体重減少など一般的な消化器症状と同様な症状が表れます。

がんが進んでくると、腹水、消化管出血がみられることがあります。膵体部や尾部のがんでは、膵頭部がんと比べその場所から胆管に影響が及びにくいので黄疸も出現しにくく、その発見はさらに遅くなることが多く、診断された時点では、手術不能と言う場合が多くあります。
なお、慢性膵炎の症状も膵がんとよく似ており、膵がんの検査を併せて行うことが必要です。

 

治療・予防
膵臓がんの基本的な治療は、外科的切除です。
しかしながら、前述のように、膵臓がんと診断された7割から8割は診断時に既に切除手術の対象とならないほど進行しており、その場合は、姑息的な症状改善を目指した手術や処置とともに抗がん剤による治療や放射線による治療、またはその両者が行われます。

予防は緑黄色野菜をとるなど一般的ながんの予防法が推奨されていますが、はっきりした科学的根拠を証明されていません。
膵がんの検診は、腹部エコー検査や腫瘍マーカー検査、膵酵素検査などが、検診に利用されていますが、早期膵がんを発見することは難しく、一般的なものとなっていません。
CTやMRI、PETが検診にも応用できれば、さらに膵がんが見つかりやすくなるかも知れませんが、早期の膵がんを見つけることは難しいのが実情です。

従って、大切なことは、膵臓がんを疑う事からスタートし、できる限り、膵臓がんの専門家のいる施設を受診して検査、治療をすることが大切だと思われます。