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ふくろう通信 TPPの危険な正体  国民皆保険が危機に

ふくろう通信

2013年5月

 

TPPの危険な正体  国民皆保険が危機に

 

私が所属している団体に長崎県市医師会と長崎県保険医協会があります。
両者ともTPPに強い危機感を持っています。

私もTPPは国民に十分内容を知らせないまま進んでいる、とんでもない内容だと思います。
安倍首相はTPP交渉への参加を表明しましたが、交渉参加の問題点を検討すると、再交渉はできない、4年間は非公開、関税ゼロが目的(しかし米国の自動車産業は保護される?)非関税障壁の影響を試算せず(ところが試算で農林水産分野で生産額が約3兆円減少し日本の食料自給率は、2009年度のもともと低い40%から27%へ著減)といった信じられない内容です。
正しく伝えないマスコミの影響で、世論調査では国民の7割がTPPに賛成とか、大変残念です。

医療面ではどうでしょうか?「全国保険医新聞」の今年4月5日号に載った記事の一部を転載します。熟読されてください。

医療を規制緩和
TPP交渉では、医薬品の特許保護の強化や、各国政府の公定薬価決定過程に製薬会社を参加させることが焦点になる。
「薬価の国際比較調査」では、日本より米国は高い。
米国は国民皆保険制度がなく、ほとんどが自由診療のため、薬価も製薬会社の言い値で付けられている。
TPPに参加すれば、米国の薬価が押し付けられ、日本の薬価が米国並みに高騰することになる。

さらに米通商代表部は、「診断・治療及び外科的方法」を特許の対象にするよう求めている。
先進医療が特許保護の対象になると価格が上がる。
それを保険適用すれば公的医療保険財政を圧迫するため、いつまでも保険外に留め置かれる危険がある。
既に、政府の規制改革会議は「保険外併用療養費の更なる範囲拡大」を検討し、経団連も「一部の高度医療の適用除外・保険免責制の検討」を提言している。
価格が上がったうえ、全額患者負担のままにされれば、庶民はますます使いづらくなる。
他方、先進医療をカバーする「特約」を販売している民間保険会社は、「特約」に加入する人が増え、有利になる。
また、営利企業の病院経営への参入は、米国、ニュージーランド、シンガポールなどTPP交渉参加国では普通である。

日本が参加した場合、営利企業の参入禁止は「非関税障壁」とみなされ、撤廃の対象とされるおそれがある。
形式的に全国民が公的医療保険に入るという意味で「国民皆保険」が看板として残っても、実質的には機能しなくなる恐れが強いと思われます。

主権を制限する条項
TPP協定に盛り込まれる条項で、企業の主張が認められれば、国内法やルールを変えさせられることになる。

例えば、日本の政府が先進医療を保険適用した場合、民間保険会社の先進医療特約の売り上げに影響が出るという理由で、提訴することも可能となる。
保険会社が商品販売のために、公的医療保険への適用自体をやめさせることができるわけである。
また、厚労省が薬価を引き下げようとした場合、製薬会社が損害を被るとして提訴することも可能である。

TPPを熱心に推進しているのは民間保険会社と製薬会社で、医薬品価格を引き上げ、公的医療保険を縮小することで利益を得る業界である。

結局、TPPの本質的な目的は、参加国の国内制度やルールを米国のグローバル企業にとって有利な基準に変えてしまおうということなのである。
私見ですが、決して国民のためではないのです。