ふくろう通信

ふくろう通信 インフルエンザ

201012 

今期のインフルエンザと新しい治療薬について

 

 

昨年は新型インフルエンザ騒動でいろいろと大変でした

ワクチンは誰を優先するかなどの問題もあり、はじめは皆様も戦々恐々といったところだったでしょう。
ふたを開けてみると、確かに若年者は感染率も高く、比較的重症化する例もあったのですが、成人では、特に50歳以上では発症率も低く、少し肩透かしといったところでした。
死亡率の高かったアメリカや他国に比べ、日本のそれは大変低く、これは感染者に対し、早期から抗ウイルス薬を十分使用していたことが大きかったと考えられています。
専門家の意見も加味して、今期のインフルエンザ流行についての情報と、新しく導入された抗インフルエンザ薬について述べてみましょう。

 

 

 

昨年は全国にさきがけ沖縄でまず流行し、また8月という暑いころより早くもインフルエンザの流行が顕在化し、秋になって爆発的に流行、そして今年2月にはもう収束してしてしまうという、例年とは極めて異なったパターンとなりました。私は医者になって初めての経験でした。
想定していたものよりも病原性が低いウイルスであったため、また上記で述べたように早期の抗ウイルス剤治療のため、入院者や重症者は低く抑えられましたが、外来受診に関する混乱が表面化し、夜間や休日の救急外来では随分と大変だったようです。

さて今年はどうでしょうか。

  • 前年度のインフルエンザ流行が若年者に集中したのに比べ、今期は成人、しかも高齢者の罹患率が高くなりそうです。というのは今期に流行するタイプのインフルエンザはA香港型で、昨年流行した新型インフルエンザではないことが予測されています。

 

  • そのため、高齢者における肺炎の合併症が多くなることが考えられます。
    インフルエンザ罹患後の肺炎の原因として、ウイルスそれ自体もありますが、ずっと多いのが細菌による二次感染です。単なる肺炎より、インフルエンザ後の細菌性肺炎は大変重症化することがわかっています。死亡ケースも多くこの点、十分な理解が必要ですね。

 

  • 細菌の二次感染の重要な細菌のひとつに肺炎球菌があげられます。
    皆様もご存知でしょうが肺炎球菌ワクチンがあります。インフルエンザワクチンと本ワクチンを併用すると、高齢者における肺炎死亡率がかなり減少することが報告されています。
    高齢者の方をはじめ、呼吸器や循環器などに基礎疾患のある方、糖尿病の方、癌などで治療中の方、脾臓摘出された方などは、肺炎にかかる確率が明らかに高くなります。インフルエンザのワクチンだけでなく、肺炎球菌ワクチン接種をぜひお勧めします。

 

  • タミフル、リレンザの抗ウイルス薬に加え、今期は新しく注射薬と吸入薬が加わり、すでに発売されています。それぞれ外来で1回の治療のみで有効であるということです。
    今までの抗ウイルス薬は原則として5日間投与でしたが、極めて短縮され便利になりました。これらはタミフルに耐性となったウイルスにも有効とされます。

 

  • このほかまだまだ開発中の薬剤や、もうすぐに市場に投入されようとされる薬剤もあり期待が持てます。
    変わったところで漢方の銀趐散や乳酸菌製剤(b240)も抗ウイルス作用について検討中ということです。

 

  • インフルエンザ罹患者で次のような方は重症例です。高齢で脱水症を呈し、呼吸困難感が強く、意識障害が見られ、血圧が低下傾向の方、すぐに入院しなければなりません。

 

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