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ふくろう通信 認知症

  • ふくろう通信

20107 

認知症の正しい理解、早期治療

 

最近認知症への関心が高まり、マスコミや映画で取り上げられることも多くなりました。
認知症には下記の如く、いくつかのタイプがあり、薬や食事などによって症状が改善されるものもあります。
進行性の認知症であるアルツハイマー病の場合も、早くから治療を始めるほうが改善効果が高いことがわかってきました。
また認知症とよく似た症状がみられても、ほかの病気という場合もあります。

自己判断で認知症と思い込むと、治療が遅れることにもなりかねません。そのため認知症については、早めに受診して病名を確認し、適切な診断を受けることが大切だといえます。正しい知識、早期発見が予防や改善につながります。

 

(1)アルツハイマー病

アルツハイマー病は現在、日本人の認知症の半数を占め増加しています。初期症状の一つが「物忘れ」です。
単なる物忘れは中高年になると殆どの人が経験しますが、その症状が少しずつ重くなる場合には注意が必要です。
ほんの少し前のことを忘れる、同じことを何度も言ったり聞いたりする、うっかりミスを繰り返す、というように症状が悪化し周りの人がおかしいと感じるケースです。さらに症状が進むと、時間、場所などがわからなくなります。
症状が徐々に進行していくため放置されるケースが少なくありません。
本病については近年、画像診断などの検査技術が進歩し、軽度認知障害のような早い段階でも診断ができるようになっています。
早期発見ができれば、治療薬(アリセプト)によって進行を遅らせる効果も高くなります。また最近は、食事、適度の運動、趣味などを持ち人と交流することなど、ライフスタイルの改善もアルツハイマー病の予防に効果的です。

私も見て身につまされた最近の映画、『明日の記憶』では、渡辺謙が演ずる現役ばりばりのビジネスマンが48歳で認知症にかかりました。若年性のアルツハイマーもあるのです。
ちなみに30年前に有吉佐和子は『恍惚の人』を書き、今考えると社会意識が高かった作家でした。
その映画で熱演した森繁久弥の演ずる痴呆老人は年齢が77歳でした。

 

(2)脳血管性認知症

脳血管性(脳出血、脳梗塞)認知症で、認知症全体の約20%。
認知症の初期症状というと「もの忘れ」を連想されるでしょうが、このタイプの場合には「やる気がなくなる」「できていたことができなくなる」といった生活行動面での変化が目立ちます。
脳血管性認知症の場合、脳卒中を起こすたびに悪化します。そのため脳卒中を繰り返さないことが、予防にとって最も大切なことです。

このタイプは脳卒中の再発を防ぎ、リハビリを行うことで、症状が改善される可能性があります。
「様子がおかしいな」と感じたら、早めに受診して適切な治療を受けるようにしましょう。

 

(3)レビー小体型認知症

最近、レビー小体型認知症が日本人にも多く、注目されています。アルツハイマー病の一種ですが、症状にはかなりの違いがあります。
最も特徴的なのは、幻視や妄想を伴うことです。
幻視というのは、いないはずの人の姿が見えることで、「部屋の隅に子どもがいる」と言ったりします。
実際にはいないのですが、本人にははっきり見えるように感じます。
私もそのような訴えの患者さんを経験しました。また「財布を盗まれた」「浮気をしている」といった妄想を訴えたり、浅い睡眠時に暴れることなどもあります。
さらにパーキンソン病と同様の症状を併発する人もいます。治療には、アルツハイマー病に使われるアリセプトが、本疾患にはさらに有効とされています。

 

(4)認知症と似た病気

慢性硬膜下血腫(高齢者で転倒し頭部打撲後、しばらくして起こることがあります)、正常圧水頭症、老人性のうつ状態、ビタミン不足による栄養障害、薬による副作用でも似た症状になります。

 

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