ふくろう通信

ふくろう通信 尿路結石

2009年8月 

尿路結石も生活習慣病

実は最近、私は診療中に尿管結石による、生涯最大の激痛発作が起こり、点滴しながらの診察で、一苦労しました。
ということで今回は尿路結石についてのお話です。

癌、脳卒中、心筋梗塞、そして、メタボリックシンドロームの診断基準に入っている肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧といえば、誰もが生活習慣病と思っています。

では、「尿路結石」はどうでしょう。その尿路結石は、腎臓から尿管、膀胱、尿道に至る尿の通り道、いわゆる尿路に石ができる病気です。
石ができてもスーッと流れ落ちていけばさほど問題にはなりませんが、尿管で石がつまり、少し動くと激痛が走ります。
背部痛、脇腹痛、下腹部痛と石が下がるに従って痛むところが違います。
最も重症のケースは、尿管に石が詰まり、腎臓に尿がたまってしまう時で、水腎症となり、脂汗をにじませるほどの激痛になります。
専門家たちは尿管結石を「メタボの診断基準のひとつに入れるべき」と、声を大にして言っています

 

 

激痛を引き起こす結石は、大きく分けると5種類ありますが、「カルシウム結石」が全体の80%を占め、これに尿酸を主成分とする「尿酸結石」を加えると全体の90%になります。
カルシウム結石と尿酸結石は、食生活の欧米化に伴い年々増加してきています。肉類のとりすぎで血液中の尿酸値が高いと高尿酸血症となり、それが進むと激痛発作を起こす痛風が待っています。この場合、尿酸結石ができますが、それとともにシュウ酸カルシウム結石もできます。

そのような人は尿酸値や中性脂肪値も高く、動脈硬化を引き起こしやすいので、その意味で尿路結石は生活習慣病といえるのです。

 

生活を改善することで予防はできます。次のことに注意するとよいでしょう。

(1) 食事以外で1日2Lの水分摂取

(2) 1日30品目のバランスの良い食事で、腹8分目

(3) 適度な運動

(4) 適度な酒量、特にビールはプリン体(尿酸値上昇の原因)が多く要注意

(5) コーヒーは飲みすぎず、飲む時はミルクコーヒーに!

 

以上5つのうち(5)は、コーヒーは結石のもとになるシュウ酸が多く含まれますが、ミルクを入れるとシュウ酸が体内に吸収されずに排出されるためです。
生活習慣をしっかり改善する前に尿路結石ができてしまった場合、治療法は「薬物療法」「体外衝撃波結石破砕術(ESWL)」「経尿道的結石破石術(TUL)」「経皮的結石破石術(PNL)」「開放手術」と数多くあります。石の直径が4mm以下であれば自然排出されるといわれています。
5mm以上は多少難しくなります。痛みをいかにコントロールするかという問題もあり、痛みが強い時、また肝機能に障害があるときには早目の治療が必要です。

患者自身の状態、患者の石の状態等を十分に考え、主治医と患者が話し合って最善の治療法を選択します。

 

 

9月のお知らせ

9月6日(土)午後は研究会出席のため、診療はお休みします。

9月20日(日)長大OBオーケストラ演奏会、ポスター、チラシ参照