ふくろう通信

ふくろう通信 インフルエンザ

ふくろう通信

2000年12月

 

特集  インフルエンザ

スペイン風邪の正体

ピート・デーヴィスという英国人作家が書いた本に、「4千万人を殺したインフルエンザ」(原題Catching cold)があります。
1918年に全世界で流行したスペイン風邪の正体であるウイルスを、極北の永久凍土に埋葬されている7体の遺骸の肺から取り出そうとする計画と、その実行の模様がドキュメンタリータッチに描かれています。
さらに当時の流行の恐怖の全貌も明らかにしています。最新の抗ウイルス薬の開発に関する話題にも触れており、最新話題満載の読み物です。
実に面白い本ですが、読みながら思ったことは、突然ウイルスの型が変わるとインフルエンザの流行がいかに物凄いものとなるか、多数の人間が発病し死亡し、それも老人ばかりでなく、若い人も多く死んでいく、ということの恐さです。
科学者はスペイン風邪の正体にせまろうとそのウイルスを見出し、その遺伝子を調べようとしているのです。
インフルエンザの恐ろしさはウイルスが知らぬ間に遺伝子組換えを勝手におこし、新型になってしまう点にあります。
97年春香港に出現した新型ウイルスは、すぐに対策がとられ犠牲者はわずかでした。
しかし香港のニワトリやアヒルは処分され1羽もいなくなりました。

 

 

インフルエンザQ&A

Q1.インフルエンザとかぜはどう違う

かぜは様々なウイルスによって起こる上気道炎症状の比較的軽い病気、インフルエンザはインフルエンザウイルスによる冬期の流行性感冒で、死に至るほど重篤化することもある疾患で、明確に区別されます。

Q2.インフルエンザの症状は

38℃を超える発熱で突然発症し、上気道症状のみならず、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛など全身症状が出現します。数日で軽快しますが、1週間以上持続したり、肺炎を併発し死に至ることがあります。私は心筋梗塞を併発した患者さんを経験しました。

Q3.インフルエンザウイルスの種類は

A,B,Cの型に大別されますが流行するのはA,Bです。現在世界的に流行している型はAソ連型とA香港型、そしてB型です。

Q4.ウイルスはどうやってうつるの

空気中の飛まつ感染でひろがります。患者さんの咳で、他の人が鼻腔などから吸入し感染します。

Q5.ワクチンの効果は

接種により発症を防ぎ、症状を軽く済ませることができます。慢性の呼吸器疾患、心臓疾患等を有する患者、65歳以上の高齢者は優先的にワクチン接種が望まれます。

Q6.インフルエンザの治療法は

休養、栄養そして水分を十分とることが重要です。肺炎を併発する可能性の高い患者さんは抗菌剤の投与が必要となることがあります。抗ウイルス剤としてアマンタジンがありますが、さらに副作用が少なく確実な薬が開発されています。最近発売されましたが保険はきかず、自己負担になります。